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My Prince Your Princess 〜普段着の王子様〜


セカンドバージョン 11


「晃一、どないしたん?めずらしいなぁ、雑誌なんか見たりして]
控え室で剛史が見ていた雑誌を覗き込んできた。
「ああ、ナツキちゃんかぁ...綺麗になったよな、彼女。すごい化けたやん。退院1ヶ月でいきなりアクション映画に男装の麗人役で出たり、舞台も今多いんやろ?最近、テレビではあんまり見いひんようになったなぁ。」
「ああ、女優転身のイメージでしばらくはいくらしいわ。イメージ壊れるから、しばらくはバラエティ禁止だと。」
「へえ、もうお笑いせえへんのかな?」
「いや、基本はあいつはお笑いや。人驚かせて笑わしてなんぼやって思ってるわ。けど、今は...」
オレのためなんや。けど、なんや、この衣装は!!肌が出過ぎてないか??なにが女優や、ラブシーンなんかやって見ろ、体中に跡形つけて、撮影出来んようにしてやる!
跡形つけるシーンを想像をしながら、オレは雑誌を開いたままいつの間にか笑いを浮かべていた。
「晃一...おまえ、最近ようその笑い方するようになったなぁ?」
「あん、笑い方?」
「ああ、なんかブラックやぞ。まあ、おまえがそんな笑い方するときはナツキちゃんがらみやって判るけど。」
くすくす笑う余裕の剛史が少しだけしゃくに障った。
「そういうおまえも、朝から穏やかにしとるときは真央ちゃんのおかげなんやろ?ええよな、オレもナツキの隣に住みたい...」
クソ、毎晩か?イイよな、隣の部屋やなんて...
「隣やのうて、一緒に、やろ?」
「ああ、ほんまはな。」
まだ随分先になるだろうけれども。
「今日は雨か...」
6月の梅雨の季節、雨が降るとナツキは少し傷が痛む気がするという。そんな彼女の身体を労りながら抱くことも多くなった。
ひきつれたようなキズアトを腹部に残したナツキは、身体を晒しているときでも少し気にする。だけど、あんまり気にしたらオレに悪いと思って、必死で気にしてない振りするのが可愛いんや。
前に抱いたのは1週間前。そろそろこっちも限界で、今夜逢えるだろうけれども、逢ったら又壊してしまいそうで...
やべ、本番前に想像することじゃないや。
反応してしまう身体に深呼吸を送ると立ち上がった。
「ほなそろそろいこか。」
「ああ」
ふたり立ち上がる、スニーカーズの看板番組澤井兄弟の収録が始まる。
ナツキ、まっとけよ、帰ったら、1週間分やからな!!




「あれ?」
「どうかした?ナツキちゃん」
「いえ、今ちょっと悪寒が...」
「風邪と違うわよね?もう、無理しないでね。勘違いで刺されて、大変だったわよね。」
「ええ、傷はもういいので...」
ドラマの撮影現場だった。刺されて退院してきてから周りの視線が随分同情的で、あたしは『勘違いで刺された哀れなお笑い芸人』だったのだけれど、金奥でやった変身が再び話題になって、体調を考えた社長によって厳選されたドラマや映画の仕事にちらちら出始めた。バラエティは収録も長時間だし、何させられるか判らないので、取りあえず一旦お休みの形を取らせてもらってる。
「早く現場に戻ってこないと、おまえの場所が無くなるぞ?」
天野さんにも意地悪言われたけれども、こっちはさとりさん人質に取ってるんだからね!
元々マネージャーの居ないあたし、時々メーク担当でさとりさんに一緒に来てもらってる。あの特殊メイクは誰にでも出来るもんじゃないから。




「あ、晃一くんのライブDVDだ」
先に王子の部屋に入り、簡単なご飯、って言っても買ってきた物がほとんどだけど...一品だけ、さとりさんに教えてもらった簡単レシピのおつまみなんかつけてみた。さとりさんは料理上手で、天野さんは随分イイ思いをしてるはずなんだ。
華やかな衣装で歌う王子のCMを見ながら、ソファに身体を沈める。

綺麗だよな...

明るい髪が汗と共に跳ねる。意外と触ると硬いその髪を思い出す。
『何度も脱色を繰り返してるから痛んでるんだ。』
そう言ってたなぁ。
顔もちっちゃいしなぁ...女の子みたいに綺麗な顔なのに、マジになったり怒ったりすると怖いくらいで。
ぞくりと身体が震えた。
そうなんだ、あたしを抱くときの王子は、どっちかっていうと怖いくらい男の人で、華奢に見える胸も腰も、しなやかにしなる彫像のようで、あたしはいつも押さえ込まれて動けなくなる。いつだってあたしだけを求めてくれて、他の人がだめな分あたしばっかりで、時々身体がもたなくなるけど、あたしの身体も王子だけのために開いていく。
明日、ラブシーンがあるんだけどなぁ...
相手役の俳優さんに抱きしめられるシーン。まあ、そのぐらいならなんにもいわれないだろうけど、キスシーンはロングで撮るけど、その後首筋にキスされるシーンはアップで撮るらしいから、避けられない。
跡形つけないようにお願いしないといけない。いつもどこかしらにつけられていて、自分では気がつかなくて、いつもマコねえさんやさとりさんに指摘されて気がつく。
さすがに映画の撮影中はやめてくれたみたいだけど、明日のはドラマだし...
色々考えてると眠くなって来て、あたしは眠ってしまったみたいだった。


「...ん?」
下半身が妙に熱くてすーすーする?
顔の上に暗い影...
「え??」
「目が覚めたんか?」
「こ、晃一くん...帰ってきてたん?」
「ああ、帰ってきてシャワーも浴びたし、飯も食った。後はおまえ喰うだけ。」
既にTシャツとジャージの下の普段着の姿であたしの上に乗っかってる。王子の髪は少し濡れて柔らかくなっていた。
「へ?あ、ちょっと...」
既に下半身には何もつけていなかった。胸ははだけられ、ソファの上に片脚乗せられて、顔埋めないでよ、そんな、いきなり...
なんで気がつかないかな、あたし?ここまでされて
「なぁ、ナツキも欲しかったんか?ぐっすり寝とるのに、ちゃんと反応してるで?ここ」
「はぁ、んっ」
じゅって吸い付かないでよ!!いきなりで頭が着いてこない。
「あ、明日、さ、撮影あるから、痕、つけないで...」
「撮影?」
ぴたっと動きが止まる。敏感な蕾の上でしゃべるのはやめて欲しい。
「う、うん...」
「まさか、ラブシーンだったりしないよな?」
えっと...そうですって言えなくて、あたしは視線をそらす。
「はぁ...お笑いの時はこんな心配せんで良かったのに。ったく!どこまでやるんや?」
「どこまでって??」
「脱いだりとか絡みのシーンとか、」
「な、ないよ!そんなシーン。抱き合ってキスしてるの遠いとこで撮って、それから...」
「それから?」
うう、睨んでる顔が怖いですよ、王子。
「首筋にキスを落とすとこまで...です。」
むっとした顔。
「相手役って来栖遼哉だろ。」
「う、うん。よく知ってるね?」
「今話題のイケメン俳優だろ?フェロモン俳優とも呼ばれてたっけ?新進気鋭の若手監督久我が好んで使う俳優だろ?自分の自主制作映画から使ってて、一気に注目浴びて最近ドラマにも出だしたヤツで、今回のドラマの準主役だよな。それぐらい知ってるさ。」
「う、うん。」
「で?」
「...え?」
「覚悟は出来てるんやな?」
「な、なんの??」
「他の男にキスさせるんやろ?それ聞いてただで帰して貰えるなんて思てないわな?」
「こ、晃一くん...あの、お仕事やから、その...」
「判ってるけど、気が済まんのや。」
「んんっ!!」
唇塞がれて、喘ぐあたし。狭いソファの上で身動き出来ないまま。脚は開かれちゃってるし...
深いキスはどんどん絡み付いてきて、あたしを舌で犯す。這い回る王子の舌先に、あたしは身体の神経を剥き出しにされて内側の粘膜を濡らしていく。
「はぁ...んっ」
「もうとろんとした顔してる。そんな顔すんなよ、撮影の時は。」
「し、しないよっ!」
王子の指先がキズグチに触れる。その後に温かい温もり...
王子がソコを丹念に舐めあげている。
「やぁ...」
ゾクゾクと妙に敏感になった感覚が上がっていく。唇はその下に移動して、あたしの濡れた襞をめくりあげて、その奥にまで舌を差し込んできた。
「ここもとろとろ...入れてええか?」
王子の指があたしの内襞をまさぐり、とろけた粘膜を音を立てて掻き回す。
一週間ぶりだもん。あたしだって、寂しかった。
王子が欲しかった...
「来て...欲しいの。」
あたしの積極的な腰の動きに一瞬眉を寄せたけれども、すぐに嬉しそうに笑ってあたしの中に高ぶりを全てを沈めてきた。


「あっ、はぁ...」
「な、ナツキっ」
ソファが動くほど激しく攻め立てられて、あたしは一気に昇り詰めていく。王子も最初は手加減しないみたいで、ただひたすらその細い腰をあたしに打ち込んでくる。
キモチイイ
身体の全部がそう叫ぶ。
イキソウ
王子を受け入れてる部分が収縮をはじめる。
「やっ、もう...いっちゃうっ!」
「ああ、オレも...」
薄い膜越しに吐き出されたソレは熱くって、王子だって溜まってたんだってわかる...
「ベッドにいこか?このまま」
ヒクヒクと余韻の残るあたしを、繋がったまま抱きかかえてベッドに向かう。王子も大きい方じゃないので無理っぽいんだけど、必死になってしがみついてると、あたしの中でしぼみかけたそれがまた大きくなる。あたしも揺らされて、奥まで迎え入れた恰好で、恥ずかしいけど大きくなった王子を喜んで締め付けていた。
「さっきの余韻か?うれしいな、ナツキの中ヒクヒクしてたまらんわ。」
どさっとベッドに落とされて一旦抜かれる。
「やぁ...」
「待っとけ、すぐにやるから。」
ゴムを変えて再びあたしの中を埋めてくれる。
「あっ...王子...好き...もっとぉ...」
譫言のように繰り返すあたし。意識よりももっと別のところで彼を欲しがって強請る。

少しずつ、あたしの中に芽生えた女の自信。
少年のような容姿や体型にずっとコンプレックスをもっていて、それを乗り越えたつもりでお笑い界に入った。だけどそれは人として乗り越えていただけで、女としては諦めていただけだった。
それが...王子とであって、王子に抱かれて、王子に愛されて、乗り越える前に認められなくてパニックを起こした。弱点を丸裸に晒されたようで、あたしは自分に対する自信すら失うところだった。
だけど、こうして女として王子を愛せる喜びを知った。
最近、ようやく自分の中の女に向き合えたんだと思う。
その手段として、女優活動があるわけだけれども、お笑いの色眼鏡は拭えないけれども、少しだけでも、自分の可能性を広げたかった。

「ナツキ、綺麗や...」
その言葉であたしはいっそう綺麗になれる。
「めっちゃかわいい」
そう言ってキスしてくるから、自分が可愛くなれたって思えてしまう。
アイドルを恋人に持つってことは、とても大変で、大勢のファンの事を考えるととてもじゃないとやっていけないけれども、それでも王子が『欲しい』と言って求めてくれる限りは、頑張っていきたい。
素の顔を見せてくれる彼を大事にていきたいの。

あたしは、普段着を着てる王子が好きなんだから...

−Fin−
これにて完結致しました。バージョン3があるかどうかは謎ですが(笑)ナツキと晃一、剛史と真央、天野と里理はどこぞにでてくる可能性大です。そして11話に出てきた屋根裏の住人達は、あくまでもパラレルだと言うことでご了承下さい。m(__)m

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